こんにちわ、筋肉紳士プロデューサー(@changomi)です。
パーソナルトレーナーにはトレーニングや人体についての知識、モチベーションをあげて頑張ってもらう為のコミュニケーションスキルなど、多様なものがもとめられます。
が、色々なスキルをもっていたとしても、実際にお客様にトレーニングをお願いされない限りは、どんな知識があろうとも、どんなにコンテストで結果を残してようとも、宝のもちぐされです。
そこで今回は、お客様とのファーストコンタクトとなる「体験」「カウンセリング」時の入会率をあげるための対人スキル「ソーシャルスタイル理論」をご紹介。
これは私がリクルートで働いていた時は入社1年目の時にうけたもので、現在ボディハッカーズラボ(福岡パーソナルトレーニングジム)では、入社後の現場研修期間にしっかりと習得して頂く内容になります。
ちなみにこれだけが要因ではありませんが、ラボでは昨年の入会率は89%でした(体験もしくは無料カウンセリングにきてから入会に至った確率)。
カウンセリングからの入会率が70%をきってしまっているようなパーソナルトレーナーや、担当によって入会率にばらつきがある…というジムはぜひ、資格を習得することも大事ですが、まずは対人スキルから見直しましょう。
▽もくじ
1.ソーシャルスタイル理論
2.Driving(ドライビング)
3.Expressive(エクスプレッシブ)
4.Amiable(エミアブル)
5.Analytical(アナリティカル)
6.タイプ属性は2つをまたぐ事もある
7.判断のポイント(感情表現・自己主張)
8.ドライビング攻略法
9.エクスプレッシブ攻略法
10.エミアブル攻略法
11.アナリティカル攻略法
12.さいごに
ソーシャルスタイル理論
ソーシャルスタイル理論とは、1968年にアメリカの社会学者であるDavid Merrill(デビッド・メリル)が提唱したコミュニケーション理論で、人の行動や言動を観察し、「自己主張の強弱」と「感情表現の強弱」で4つのタイプに分類。
その人の特徴を捉えることで、コミュニケーションを円滑に進めることが期待できる、という対人スキルとなります。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の言葉がありますが、相手のタイプをしり、自身のタイプをしったうえで効果的な対応ができれば、お互いに円滑なコミュニケーションがとれますよ、というものですね。
ポケモンでいうと、ほのおタイプのヒトカゲは水タイプのゼニガメが苦手なので、水タイプに効果抜群な草タイプのフシギダネに交代して戦いましょうってことですね(ポケモンで例えたかっただけですのでご了承ください)
ざっくり言うとこんな感じになります。
・迫力ある社長タイプの「ドライビング」
・お調子者のアイデアパーソン「エクスプレッシブ」
・いつもニコニコいい人「エミアブル」
・コツコツマイペースなデータ型「アナリティカル」
ここからはタイプ別に補足していきますので、まずは自身のタイプを把握するところからはじめましょう!
Driving(ドライビング)
ドライビングは、自己主張が強く、感情表現が弱いタイプ。
「前進型・実行型・行動派」と呼ばれ、周りに相談せず「これだ!」と思ったことには、全力投球します(迷ったらGOくらいの勢いで選択がはやいです)。
戦略や勝負事が大好き。冷静に合理的判断をする現実派。指示されるのは嫌いで自分の道は自分で決めたいタイプ。
行動が早く、負けず嫌い。プロセスよりも結果を重視します。
相手と意見を戦わせることを恐れずハッキリ言うことが多いものの、感情表現が苦手なので他の人と衝突もありますが、 仕事は仕事と割りきり上昇意欲に乗って出世していく人も多いです。
褒められなくても平気で、経営者に多いタイプとされています。
「で、結論は?」と聞いてきたら間違いなくこのドライビングタイプです(怖え〜)。
Expressive(エクスプレッシブ)
エクスプレッシブは、自己主張が強く、感情表現も強いタイプ。
「直感型・感覚派」と呼ばれ、情緒的な行動を起こしやすく、何事も「なんとかなる!」と楽観的に考えるムードメーカータイプ。
自分の話をするのが大好きで、沈黙の空間は苦手。気分で動くタイプですが、人の意見や顔色を伺いつつ判断をします。
ズキューン、ドキューンといった擬音語・擬態語を多用し、話は大げさに盛りがち。
何かにハマると熱中しやすく、人に認められたがります。
エクスプレッシブは、お調子者に多いとされています。
なんでも「それいいですね!」とのっかってきたり、とにかく話が好きで擬音が多い感覚派の人はこのエクスプレッシブタイプです。
Amiable(エミアブル)
エミアブルは、自己主張が弱く、感情表現が強いタイプ。
「温和型・協調派」と呼ばれ、グループの中では目立ちすぎず、協調性が非常に高いです。
周りからのお願いを断れず、ついつい「はい」と引き受けちゃうような、みんなの為なら頑張れますタイプ。
聞き上手で、自分の意見を押し付けることなく、うんうんうなずく共感上手なので人に相談される事も多いものの、いつのまにか味方と勘違いされて派閥争いに巻き込まれていたりもします。
世話好きですが依存心が強く、ひとりぼっちは苦手です。
エミアブルは、いつも笑っている穏やかな人に多いとされています。
優柔普段だけどいつもニコニコしていて、とにかくいい人オーラ全開の人はこのエミアブルタイプです。
Analytical(アナリティカル)
アナリティカルは、自己主張が弱く、感情表現も弱いタイプ。
「分析型・思考派」と呼ばれ、何かを選択する際にはしっかりと情報収集し、分析をしたうえでじっくりと選択する傾向にあります。
控えめで堅苦しくみえることもあり、いつもマイペース。空気を読まずに淡々と仕事をこなすアナリティカルタイプは職人気質。
人に振り回されることを嫌い、一人でできる仕事を選びがち。決められた仕事をきっちりとひとつ一つ終えていくことを好み事前準備と計画をしっかりするタイプ。
自己主張が弱く、感情表現も弱いため「なにか気になるところありますか?」と質問すると、だいたい「特にありません」と、思うところがあってもぶっきらぼうにみえる態度をとってしまいがちです(決して悪気はありません)。
心をひらいて色々はなしてくれるまで時間がかかり、マイペースでコツコツ作業をする人に多いとされています。
時間に厳しく、無駄話は嫌いです。
タイプ属性は2つまたぐ事も
あらためてわかりやすく分類すると、人のタイプはこんなかんじに4つに分類できます。
・迫力ある社長タイプの「ドライビング」
・お調子者のアイデアパーソン「エクスプレッシブ」
・いつもニコニコいい人「エミアブル」
・コツコツマイペースなデータ型「アナリティカル」
ただ、完全に一つのタイプに当てはまるタイプもいれば、ドライビングの要素が強いけどエクスプレッシブの要素もあるよね、という場合もあります。
その場合は「エク寄りのドラ」といった形で二つの特徴・属性をもっていると認識して対応するとコミュニケーションがスムーズかと思います。
ちなみに私は「エク寄りのドラ」で、自分で決めたいタイプなのでいくつかプランを提示してもらったうえでメリット・デメリットをもらえれば大体即決します。
また、かなり楽観的で何事も「なんとかなる」とおもってて、擬音とかもつかってしまう感覚派な部分も多いので「ドライビングだけどエクスプレッシブ寄りのドライビング」となります。
この研修をうけた社会人一年目の時は、ほぼエクスプレッシブタイプだったんですが、社会の荒波にもまれていつのまにかドライビングタイプになってました(涙)
判断のポイント(感情表現・自己主張)
感情表現の強弱を判断するうえでの簡単なチェックポイントは下記になります。
初対面時の話し方や内容、動きから感情表現が弱いタイプ(ドライビング・アナリティカル)か、強いタイプ(エミアブル・エクスプレッシブ)か判断できると思います。
・(弱)話し方単調 ↔︎(強)抑揚がある
・(弱)事実やデータを使う ↔︎(強)人の意見やエピソードを使う
・(弱)話す時手を動かさない ↔︎(強)よく手を動かす
・(弱)姿勢硬い ↔︎(強)姿勢リラックス
・(弱)表情硬い ↔︎(強)表情リラックス
慣れてくると会って1分もあれば、雰囲気からある程度の判断はできるようになります。
さて次は、自己主張の強弱を判別しましょう。
こちらもすぐに自己主張が弱いタイプ(エミアブル・アナリティカル)か、強いタイプ(ドライビング・エクスプレッシブ)か判断できると思います。
・(弱)ゆっくり話す ↔︎(強)はやく話す
・(弱)発言少ない ↔︎(強)発言多い
・(弱)声が小さい ↔︎(強)声が大きい
・(弱)身をのりださない ↔︎(強)身をのりだす
・(弱)視線あわせない ↔︎(強)あわせる
さて、ここからは各タイプへの効果的な接し方を解説いたします。
はじめてカウンセリング・体験にきた人がどのタイプの人間なのか瞬時に判断できれば、あとはその人が心地よいと思うコミュニケーションをとることで、よりよい関係を築くことができるようになります。
さっそく実践してみましょう!
ドライビングへの効果的なコミュニケーション
合理的な考えの持ち主なので、会話は論理的かつ「明確」に進めることがポイントです。
普段の会話も結論を先に伝え、端的にわかりやすいコミュニケーションが好まれます。
有能な役に立つ人と思われると信頼関係を気づきやすいです(たぶん、だいたい、というあいまいな言葉はNG)
質問をなげる場合、最初はYes、Noで答えられる限定質問から入っていくのが良いです(いきなりベラベラ話してくれるタイプではないので)。
提案の仕方としては結論から先に伝え、選択肢となるプランをいくつか用意、メリット・デメリットや具体例などをそえて明確に伝えることができれば、あとは勝手に自身で選択してくれます。
即決をせまればすぐに結論をだしてくれるので、この人が求めている事を理解し、事前準備がしっかりとできていれば対応しやすいです。
(例)「Aさんは3ヶ月後の◯日に結婚式があり、それまでに体重を5kg落としたいとのことでしたので、こちらの3ヶ月コースをオススメします。
理由としては〇〇でこういうメリットがありますが、こういうデメリットもあります。ただ、これであれば結果を保証できるのでお任せください。
他にも、〇〇コースや〇〇コースなどありますが、こちらはこういった理由でオススメいたしません。いかがでしょうか??」
エクスプレッシブルへの効果的なコミュニケーション
エクスプレッシブの人と接する際には「共感」が非常に重要です。
とにかく人に話をきいてもらいたいタイプなので、共感をしめしたうえで、おもしろい人だと思ってもらえればさらに距離が縮みます。
また、質問の仕方についても「どうおもいますか?」といった拡大質問をなげてあげると色々と話してくれます。
直感派は、話す内容が次から次へと変わっていきがちで何をはなしていたかわからなくなることもあるので、所々で相槌をいれつつ要約してあげると喜ばれます(さすがですね、〇〇ということですよね。といった形で)。
また気分で仕事の方針を前触れなく変えてしまうときもあるので、重要な事は言質をとっておき、文書化するといった工夫も必要です。
提案の仕方としては、とにかくいっぱい気持ちよく話してもらうことが大切ですが、最終的に落とし込みたいところからそれてしまう事も多いので、しっかりと要約してあげつつ、ゴール設定をしてあげることが大切です。
最後は話してくれた内容をきっちりとまとめ、それプラスアルファで相手の気持ちを盛り上げるユニークな提案をしてあげると「すごく熱心に話をきいてくれたし、おもしろそうだからそれで!」という事になりやすいです。
中には話すだけ話して気持ちよくなって、そのまま帰ってしまう人もいるため、ゴールを見失わずにしっかりと最後は提案して終わるようにしましょう。
また、提案はひとつに絞った方がよいです(選択肢をいくつか提示するとまた話が広がってしまう可能性が高いため)
(例)「今日はすごくいっぱい有意義な話ありがとうございます。参考になりました。
お友達とどっちがダイエットうまくいくか勝負とのことで、最終的には3ヶ月後の計測日までに10kgおとしたいとのことでしたので、〇〇から開始の〇〇のプランでいきましょうか?
ちなみに、1kgダイエットに成功するごとに、私のおもしろ写真コレクションをプレゼント致します。いかがでしょうか??」
エミアブルへの効果的なコミュニケーション
エミアブルの人と接する際には「穏やかな雰囲気」を作ることが重要です。
周囲の気持ちをくみとり、協調を大事にするタイプですので、対立や競争などは嫌います。まずは親切な人と思ってもらえるようにしましょう。
話しやすいですが意外と本心を引き出しづらいため、質問の仕方は「どうおもいますか?」といった拡大質問メインに、ゆっくりとスローペースでせかさず話を進めていきましょう。
疑問に思ったことなどを言いづらい性格ですので、所々でここまでで何か不安なことやわからないことありますか?と、丁寧にフォローしていく必要があります。
やや優柔不断なところがあり、決断に時間がかかってしまいますが、そこはエミアブルのペースにあわせ、せかさずじっくりと、沈黙の時はたいてい不安なことがあるサインですので助け船をだしましょう。
決断を無理にせまると相手は多大なストレスを感じてしまうので、不安になる部分に共感してあげつつ「一緒にがんばりませんか?」とリードしてあげると良いです。
リスクが少なく安全な提案を受け入れやすいため、コースやプランなども一気に長期の契約ではなく、まずは試しで1ヶ月やってみませんか?というクロージングの仕方が効果的です。
(例)「〇〇さんの不安な気持ちよくわかります。私ももともと今より10kg以上太っていて、変わりたいけど変われないんじゃないかって本気で思ってました。でも一歩踏み出して頑張ってみたら、徐々にカラダも変わって、カラダが変わったら性格もなんだかすこし明るくなって、人生そのものが変わったんじゃないかと思ってます。
〇〇さんには私もついてますので、きっと大丈夫です!まずは一歩踏み出すために、1ヶ月だけ一緒に頑張ってみませんか?そこから頑張れそうだったらすこしずつ継続していきましょう。」
アナリティカルへの効果的なコミュニケーション
アナリティカルの人と接する際には、沈黙を恐れないことと、データや根拠を提示してあげることが大切です。
時間をしっかり守り、ふるまいなども几帳面な性格だと思ってもらえると信頼関係を気づきやすいです。
かなりマイペースなので、会話中に沈黙の時間ができることがあります。その沈黙は考えている時間なので、思考が整理するまで待ってあげましょう。
時間に厳しく、無駄話が嫌いなので「今日天気がいいですね」なんて無駄なキャッチボールは必要ありません(遅刻などは言語道断です)。
質問の仕方についても基本的にはYes Noで答えることができる限定質問でペースをつくっていきましょう(拡大質問はこたえてくれません)。
データを重視しつつも結論をだすまでに時間が必要なため、根拠となるデータを提示したらあとは沈黙にたえつつアナリティカルのペースにあわせましょう。
正確で信頼でき、リスクの少ない提案を好む傾向が強いため、データに基づいて段階的に提案していくと良いです。
(例)「過去データからすると、体重が落ちる理論値は男性の場合は「体重(kg)×1.5~2×8(週間)」(女性の場合はもう少し落ちづらく、体重×1.0~1.5×8週間程度)。
例えば、体重60kgの女性の方であれば2ヶ月で5kg~7kg程度が健康的に痩せる目安になりますので、このペースにそって進めていくのがリバウンドのリスクが少なく、最も効果的で良いかと思います。」
さいごに
ソーシャルスタイル理論をみにつければ、お客様はもちろん、友達や会社の人など、幅広いひとと快適なコミュニケーションがとれるようになります。
人それぞれの特徴にあわせて対応できてこそ、一流のパーソナルトレーナーかと思います。
特に現状、結果がでていない方や、これからもっとレベルアップしたい人には必須のスキルですので資格を取るよりも先に、ぜひ習得してみてください。
ボディハッカーズラボ(福岡パーソナルトレーニングジム)では、自社でパーソナルトレーニングジムや24時間ジムを運営する中で、こういった対人スキルや研修プランなども提供してますので、ジムのコンサルや企業のビジネススキル研修などもお気軽にご相談ください。
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それではボディメイクで良い人生を!